和 鏡
和鏡は平安時代以降、日本で作られた鋳造技法による金属の鏡です。背面には和風の文様が表され、青銅や錫の多い白銅で作られており、円鏡や八稜鏡、八花鏡、方鏡、柄鏡、懐中鏡などがあります。
大きさは「寸・尺」で表し、二寸(約6cm)から一尺(約30cm)に、およぶ大きな鏡も作られてきました。鏡面は銀鍍金に比べ、さび難い錫鍍金が施されています。背面に鋳出された文様は草花文、双鳥文、流水文などの優美な和の文様が表され、多くは茶の湯釜の文様と同じ、ヘラ押し技法で描かれています。
当工房では、古来の技法により鋳型を製作し、銅と錫と銀を合わせた白銅で調製しています。
白 銅
銅や錫は単独では、比較的柔らかい金属ですが、ある配合で溶かして混ぜ合わせると銀色に輝く硬い金属、白銅になります。傷が付きにくいため、鋳鏡に用いられてきました。